「いつかはナナマル」… 多くの四駆ファン、アウトドア愛好家にとって、トヨタ ランドクルーザー70(ランクル70)は特別な存在であり、憧れの的です。
その無骨で堅牢なデザイン、圧倒的な悪路走破性、そして長い歴史に裏打ちされた信頼性は、他のどんな車にも代えがたい唯一無二の魅力を持っています。近年では再販モデルが登場し、再び新車(に近い形)で手に入れるチャンスも生まれました。
しかし、その一方で、ランクル70のオーナーになった、あるいはなろうとしている人々から聞かれるのが、「維持費が高すぎて維持できないかもしれない…」「想像以上に費用がかかって大変だ」といった悲鳴にも似た声です。
確かに、ランクル70を所有し続けるには、一般的な乗用車とは比較にならないほどの維持費がかかるという現実があります。特に古い年式のモデルや、維持費の安い1ナンバー(貨物登録)で所有しているつもりが、実は…といったケースも。
この記事では、「ランクル70は維持できない」と言われる背景にある、高額な維持費の内訳(税金、保険、燃料費、整備費など)とその理由を徹底的に解説します。
また、1ナンバー登録のメリット・デメリット、古いモデル特有の悩み、そして再販モデルとの違いなどにも触れながら、ランクル70を維持していくためのリアルな現実と、それでも乗り続けるために必要な覚悟やポイントについて詳しくご紹介。憧れだけでは済まされない、ランクル70との付き合い方を考えていきましょう。
- ランクル70の維持費は、税金(特に自動車税)、燃料費、保険料、整備費などが高額になる傾向
- 特に古いディーゼル車や1ナンバー登録車は、自動車税や車検頻度に注意が必要
- 燃費が悪く、燃料費がかさむ。部品供給や故障リスクも(特に旧型)
- ランクル70を維持するには、経済的な余裕と、車への知識・愛情、そして覚悟が不可欠
なぜランクル70は維持できないと言われる?高額維持費の内訳と理由
- 維持費の大きな壁① 高額な自動車税(特に1ナンバーや古いディーゼル)
- 維持費の大きな壁② 決して良くない燃費と高騰する燃料費
- 維持費の大きな壁③ 高額になりがちな任意保険料(車両保険の問題)
- 維持費の大きな壁④ 車検費用と定期的なメンテナンスコスト
- 古いモデル特有の悩み 部品供給と故障・修理のリスク
- 1ナンバー登録のメリット・デメリット(税金 vs 車検頻度)
- 盗難リスクの高さも維持の負担に?
維持費の大きな壁① 高額な自動車税(特に1ナンバーや古いディーゼル)
- 大排気量エンジン(4.0Lガソリンや4.2Lディーゼル等)のため、自動車税が高額
- 古いディーゼル車は、新規登録から11年超で重課(約15%増)
- 1ナンバー(貨物)登録は税金が安いが、毎年車検が必要になる
ランクル70の維持費が高いと言われる最大の理由の一つが、「自動車税」の負担の大きさです。
ランクル70には、歴代モデルを通じて比較的大排気量のエンジンが搭載されてきました。
例えば、2014年の再販モデル(GRJ76K/79K)には4.0L V6ガソリンエンジン、それ以前の国内モデル(HZJ7#系など)には4.2L直列6気筒ディーゼルエンジンなどが代表的です。
自動車税はエンジンの総排気量に応じて課税されるため、これらの大排気量エンジンを搭載するランクル70は、必然的に税額が高くなります(例:4.0L超~4.5L以下区分など)。
さらに、古いディーゼルエンジン車の場合、環境負荷が大きいという理由から、新規登録から11年(ディーゼル車の場合)を超えると、自動車税が約15%重課される制度があります。
中古で古い年式のディーゼルモデルを購入した場合、この重課措置によって、さらに税金の負担が増えることになります。
この高額な自動車税を回避するために、一部のランクル70(主にバンモデルなど)は、「1ナンバー(普通貨物自動車)」として登録されることがあります。
1ナンバー登録の場合、乗用車(3ナンバーや5ナンバー)に比べて自動車税が大幅に安くなるというメリットがあります。
しかし、その代わりに、車検の有効期間が1年ごと(新車初回は2年)となり、毎年車検を受ける必要が出てきます。(詳しくは後述)
また、高速道路料金が中型車扱いになったり、任意保険料が変わったりといったデメリットもあります。
再販モデルや、2023年からの新型モデル(GDJ76)は、比較的新しいエンジン(ガソリンやクリーンディーゼル)を搭載し、乗用登録(3ナンバーまたは5ナンバー)が基本となるため、極端な税金の高さは緩和されていますが、それでも排気量に応じた負担は必要です。
いずれにしても、自動車税はランクル70を維持する上で、毎年必ず発生する大きなコストの一つなのです。
維持費の大きな壁② 決して良くない燃費と高騰する燃料費
- 大きなボディと重い車重、大排気量エンジンのため、燃費は悪い
- 実燃費はリッターあたり数キロメートル台になることも珍しくない
- 燃料費(軽油またはガソリン)の高騰が家計を直撃
ランクル70を維持する上で、自動車税と並んで大きな負担となるのが「燃料費」です。
ランクル70は、その堅牢なラダーフレーム構造と大きなボディサイズ、そして四輪駆動システムなどにより、車両重量が非常に重い車です。
これに加えて、大排気量のエンジン(ディーゼルまたはガソリン)を搭載しているため、燃費性能が良いとはお世辞にも言えません。
カタログ燃費(WLTCモードなど、比較的新しいモデルの場合)の数値自体も決して良くありませんが、実際の燃費(実燃費)は、走行状況や運転の仕方によってさらに悪化する傾向があります。
特に、市街地でのストップ&ゴーが多い走行や、悪路走行、あるいは重い荷物を積んでの走行などでは、リッターあたり5km~7km程度、あるいはそれ以下になってしまうことも珍しくありません。
高速道路を一定速度で巡航すれば多少は伸びますが、それでも驚くほど低燃費になるわけではありません。この燃費の悪さが、昨今の燃料費(軽油、ガソリン)の高騰と相まって、家計への負担を増大させます。年間の走行距離が多い人ほど、その負担は深刻になります。
例えば、年間1万km走行し、実燃費がリッター6km、燃料単価が160円/L(軽油)と仮定すると、年間の燃料代は約26.7万円にもなります。
これがガソリン車(ハイオク指定の場合もある)であれば、さらに高額になります。
ランクル70の持つ走破性や耐久性といった魅力と引き換えに、この燃費性能の悪さと燃料費の高さは、オーナーが受け入れなければならない現実の一つです。
「維持できない」と感じる大きな要因となり得る、重要なポイントです。
維持費の大きな壁③ 高額になりがちな任意保険料(車両保険の問題)
- 任意保険料、特に車両保険が高額になる傾向
- 盗難リスクが非常に高い車種であることが影響
- 古いモデルは車両保険に加入できない、または補償額が低い場合も
自動車を所有する上で必須となる任意保険ですが、ランクル70の場合、この保険料も比較的高額になる傾向があり、維持費を押し上げる要因となります。
特に影響が大きいのが「車両保険」の保険料です。車両保険は、事故などで自分の車が損害を受けた場合に、その修理費用などを補償してくれる保険ですが、保険料は車種ごとの事故率や修理費用の高さ、そして「盗難リスク」などによって算出されます。
残念ながら、ランドクルーザーシリーズ(70、プラド、300など)は、車両盗難のリスクが極めて高い車種として広く認知されています。
この高い盗難リスクが、車両保険の料率クラスを引き上げ、結果として保険料を高額にする大きな要因となっているのです。
また、年式が非常に古いモデル(例えば、平成一桁年式など)の場合、そもそも車両保険に加入できなかったり、加入できたとしても、車両の評価額(保険金額)が非常に低く設定されてしまい、万が一全損や盗難に遭っても、十分な補償が受けられない、という問題も発生します。
対人・対物賠償保険などの基本的な補償部分の保険料については、他の車種と比べて極端に高くなるわけではありませんが、運転者の年齢や等級、補償内容によって変動します。
however 高額な車両保険料と、加入の難しさ(古いモデルの場合)は、ランクル70を維持していく上で、無視できないリスクであり、負担となります。
盗難対策をしっかり行うことはもちろん、複数の保険会社で見積もりを取り、補償内容と保険料のバランスを比較検討することが重要です。
維持費の大きな壁④ 車検費用と定期的なメンテナンスコスト
- 1ナンバー登録車は毎年車検が必要となり、手間と費用がかかる
- 部品代が高価で、特殊な整備知識や工具が必要な場合も
- サビ対策や足回りなど、ランクルならではのメンテナンス項目も
ランクル70を維持していくためには、定期的な車検とメンテナンスが不可欠ですが、これも費用がかさむ要因となります。
まず車検ですが、前述の通り、1ナンバー(貨物)登録のランクル70は、毎年車検を受ける必要があります。乗用車(3ナンバーや5ナンバー)の2年ごと(初回3年)に比べて、車検の頻度が高くなるため、その分手間と費用(法定費用+基本料+整備費)がかかります。(※2023年からの新型GDJ76は乗用登録なので、この点は異なります)。
車検時の整備費用や、日常的なメンテナンス費用についても、一般的な乗用車より高くなる傾向があります。
ランクル70は、堅牢な構造を持つ一方で、使用されている部品も特殊なものが多く、部品代が高価になる場合があります。特に、古い年式のモデルになると、純正部品の供給が終了していたり、入手が困難になっていたりするケースも考えられます。
また、整備に関しても、ランクル特有の構造(例えば、ラダーフレームやリジッドアクスルサスペンションなど)に関する専門的な知識や、特殊な工具が必要となる場合があります。
Therefore, どこの整備工場でも対応できるわけではなく、ランクルに詳しい専門店や、経験豊富な整備士に依頼する必要があり、工賃も比較的高めになる可能性があります。
さらに、ランクル70は悪路走行などを想定したタフな車ですが、年数が経てば当然、各部に劣化が生じます。
Especially フレームやボディのサビ対策、リーフスプリングなどの足回り部品のメンテナンス、デフオイルやトランスファーオイルの交換など、ランクルならではの定期的なチェックとメンテナンスが、車両の状態を維持するためには重要となり、それに応じたコストがかかります。
古いモデル特有の悩み 部品供給と故障・修理のリスク
- 生産終了から年月が経過した部品は、供給が終了・不安定になる
- 純正部品が入手困難で、リビルト品や社外品を探す必要も
- 経年劣化による予期せぬ故障のリスクが高まり、修理費用がかさむ
特に古い年式のランクル70(例えば、HZJ7#系など)を維持していく上で、大きな悩みとなるのが「部品供給」の問題と、「故障・修理のリスク」です。
自動車メーカーは、車の生産終了後も一定期間は補修部品を供給する義務がありますが、その期間(一般的に10年~15年程度)を過ぎると、部品の供給は徐々に終了していきます。
ランクル70は非常に長く生産されたモデルですが、古い年式の部品となると、既にメーカーからの供給が終了している、あるいは在庫が非常に少なく入手困難になっているケースが少なくありません。
特に、エンジンやトランスミッションといった主要部品や、内外装の専用部品などは、入手が非常に難しくなる可能性があります。
純正部品が手に入らない場合、中古部品やリビルト品(再生部品)、あるいは社外品のパーツを探すことになりますが、品質や適合性に問題がないか、慎重に見極める必要があります。
また、年式が古くなればなるほど、経年劣化による予期せぬ故障のリスクは高まります。電気系統のトラブル、オイル漏れ、水漏れ、サスペンションのへたり、フレームの錆など、様々な箇所で不具合が発生する可能性が出てきます。ランクル70は元々頑丈な車ですが、それでも経年劣化は避けられません。
そして、故障が発生した場合の修理費用も、部品代の高さや整備の難しさから、高額になる傾向があります。古いランクル70を維持するには、こうした部品供給の問題や、いつ起こるか分からない故障のリスクと常に向き合い、それに対応できるだけの経済的な余裕と、ある程度の知識、そして手間を惜しまない愛情が必要不可欠なのです。「維持できない」と感じる人がいるのも、無理はないのかもしれません。
1ナンバー登録のメリット・デメリット(税金 vs 車検頻度)
- メリット:自動車税が乗用車登録より大幅に安い
- デメリット:毎年車検が必要、高速料金が中型車扱い、任意保険料が変わる可能性
- どちらが得かは、年間の維持費トータルで比較検討が必要
ランクル70(主にバンモデルなど)を維持する上で、しばしば話題になるのが「1ナンバー(普通貨物自動車)」での登録です。これは、維持費、特に自動車税を安く抑えるための手段として選択されることがあります。
1ナンバー登録の最大のメリットは、「自動車税の安さ」です。乗用車(3ナンバーや5ナンバー)が排気量に応じて課税されるのに対し、貨物車は最大積載量などによって税額が決まります。ランクル70クラスの場合、1ナンバーで登録すると、同等の排気量の乗用車として登録するよりも、年間の自動車税額を数万円単位で安くすることができます。
これは、毎年かかる固定費を抑える上で、非常に大きなメリットです。しかし、1ナンバー登録にはデメリットも存在します。最も大きなデメリットが、「車検の有効期間が短い」ことです。乗用車が2年ごと(新車初回3年)なのに対し、1ナンバーの貨物車は毎年車検を受ける必要があります(新車初回は2年)。
車検の度に、法定費用や基本料、整備費用がかかるため、車検の頻度が高い分、手間と費用がかさみます。
また、「高速道路料金が中型車扱い」となり、普通車料金よりも割高になります。さらに、「任意保険料」についても、貨物車としての料率が適用されるため、乗用車として加入する場合と保険料が変わる可能性があります(安くなる場合も高くなる場合もある)。乗車定員や、後部座席の構造などにも制約があります。
したがって、1ナンバー登録が必ずしも「得」とは限りません。自動車税の安さと、車検頻度の高さや高速料金などのデメリットを比較し、自分の車の使い方や年間の維持費トータルで、どちらが有利になるかを慎重に検討する必要があります。
盗難リスクの高さも維持の負担に?
- ランクルシリーズは車両盗難のリスクが極めて高い
- 車両保険料の高騰や、加入の難しさに繋がる
- 厳重な盗難対策が必須となり、その費用も負担となる
ランクル70を所有する上で、維持費とは少し異なりますが、精神的にも経済的にも大きな負担となり得るのが「車両盗難のリスク」です。
残念ながら、ランドクルーザーシリーズは、日本国内だけでなく世界的にも非常に人気が高く、それに伴って盗難のターゲットとして狙われやすい車種の筆頭となっています。
特に海外での需要が高く、不正輸出を目的とした窃盗団による組織的な犯行が多いと言われています。この高い盗難リスクは、まず「任意保険料」、特に「車両保険料」に直接影響します。
保険会社は、車種ごとの盗難リスクを保険料率に反映させるため、ランクル70のような盗難多発車種は、車両保険料が非常に高額になる傾向があります。
また、年式が古いモデルや、保管状況によっては、車両保険への加入自体を断られてしまうケースもあります。
さらに、この高い盗難リスクに対抗するためには、「厳重な盗難対策」が必須となります。メーカー純正のセキュリティシステムだけでは不十分であり、ハンドルロックやタイヤロックといった物理的な対策に加え、リレーアタック対策(電波遮断ケースなど)、CANインベーダー対策(IGLAなどのデジタルイモビライザー)、GPS追跡システムといった、複数の後付けセキュリティ対策を組み合わせることが推奨されます。
これらの対策には、当然ながら初期費用(製品代+取付工賃)がかかります。高性能なセキュリティシステムを導入すれば、数十万円単位の出費となることもあります。
Like this ランクル70を所有するということは、常に盗難の不安と隣り合わせであり、その対策のために精神的な負担と経済的なコストがかかる、という側面も理解しておく必要があります。「維持できない」と感じる要因の一つにもなり得るのです。
それでもランクル70に乗りたい!維持するためのポイントと注意点
- 維持費を少しでも抑える工夫 燃費の良い運転、任意保険の見直し
- 信頼できる整備工場を見つける重要性
- 日頃のメンテナンスと早期の不具合対処
- 再販モデル(76/79)と旧型モデル 維持のしやすさの違い
- ランクル70を維持するための経済的な目安(年収など)
- 「維持できない」と感じる前に ライフプランとの照らし合わせ
- まとめ:ランクル70はロマン!でも維持には覚悟と愛情が必要
維持費を少しでも抑える工夫 燃費の良い運転、任意保険の見直し
- 急発進・急加速を避けるなど、燃費を意識した運転を心がける
- 任意保険は複数の会社で見積もりを取り、補償内容と保険料を比較
- DIYできるメンテナンスは自分で行う(知識と技術が必要)
ランクル70の維持費は高額になりがちですが、少しでも負担を軽減するために、オーナーができる工夫もいくつかあります。
まず、燃料費を抑えるためには、「燃費の良い運転」を心がけることが基本です。急発進、急加速、急ブレーキを避け、アクセル操作を穏やかに行うことで、燃料の消費を抑えることができます。不要なアイドリングを避けたり、タイヤの空気圧を適正に保ったりすることも、燃費改善につながります。
次に、任意保険料の見直しです。保険料は、保険会社やプラン、補償内容、そして運転者の条件(年齢、等級など)によって大きく異なります。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容と保険料を比較検討することで、より自分に合った、そして少しでも安い保険を見つけられる可能性があります。
車両保険の免責金額(自己負担額)を調整したり、不要な特約を外したりすることも検討しましょう(ただし、補償内容を削りすぎないように注意が必要です)。
さらに、メンテナンス費用を抑える工夫としては、オイル交換や簡単な消耗品の交換など、DIY(Do It Yourself)で行える範囲のメンテナンスは自分で行う、という方法もあります。
ただし、これには相応の知識と技術、そして工具が必要となります。自信がない場合は、無理せずプロに任せるのが賢明です。これらの工夫は、維持費全体から見れば小さなものかもしれませんが、日々の積み重ねが、年間の負担軽減につながります。ランクル70と長く付き合っていくためには、こうした地道な努力も大切になってくるでしょう。
信頼できる整備工場を見つける重要性
- ランクル70の整備には専門知識と経験が必要
- ディーラー以外にも、ランクルに詳しい専門店や整備工場が存在
- 技術力、費用、コミュニケーションなどを考慮して選ぶ
ランクル70、特に古いモデルを維持していく上で、非常に重要となるのが「信頼できる整備工場」を見つけることです。
前述の通り、ランクル70の整備には、その特殊な構造や、旧型モデル特有のノウハウが必要となる場合があります。全ての整備工場がランクル70に精通しているわけではありません。もちろん、トヨタディーラーに依頼すれば、専門知識や純正部品の面で安心感はあります。しかし、費用が高額になる傾向があるため、ディーラー以外の選択肢も検討したいところです。
幸い、ランクルシリーズはファンが多く、全国にはランクルを専門に扱っていたり、古い四駆に詳しかったりする整備工場やカスタムショップが存在します。こうした専門店は、ディーラーでは対応できないような修理や、部品の調達(中古部品や社外品など)、あるいは維持に関する的確なアドバイスを提供してくれる可能性があります。
信頼できる整備工場を見つけるためには、まずインターネットなどで情報を収集し、ランクル70の整備実績が豊富なお店を探しましょう。オーナーズクラブのメンバーに聞いたり、SNSなどで評判を調べたりするのも有効です。そして、実際に何軒かのお店に相談に行き、スタッフの知識レベルや対応、工場の設備、そして見積もり金額などを比較検討します。
単に費用が安いだけでなく、しっかりとコミュニケーションが取れ、安心して愛車を任せられると感じる工場を選ぶことが重要です。良い整備工場との出会いは、ランクル70を長く維持していく上で、何よりも心強い支えとなるでしょう。
日頃のメンテナンスと早期の不具合対処
- 車検時だけでなく、日常的な点検とメンテナンスが重要
- オイル交換、グリスアップ、下回りのチェックなどを定期的に
- 異音や違和感を感じたら、早めに専門工場に相談
高額になりがちなランクル70の維持費を、結果的に抑えるための最も基本的な方法は、「日頃からのこまめなメンテナンス」と「不具合への早期対処」です。車検の時にまとめて整備するのではなく、普段から愛車の状態に気を配り、適切なケアをしてあげることが、大きなトラブルや高額な修理を防ぐことに繋がります。
まずは、基本的な消耗品の交換サイクルを守ること。エンジンオイル、オイルフィルター、エアクリーナーなどは、メーカー推奨、あるいはそれより早めのサイクルで交換するのが望ましいです。特に古いディーゼルエンジンなどは、オイル管理が重要になります。
また、ランクル70ならではのメンテナンスとして、プロペラシャフトなどへの定期的なグリスアップや、ラダーフレーム、足回り、下回り全体の錆の状態チェックなども重要です。特に雪国で使用する場合や、オフロード走行をする場合は、念入りなチェックと防錆対策が必要となります。
そして、最も大切なのが、「車の変化に気づく」ことです。普段運転していて、「いつもと違う音がする」「何か振動が大きい気がする」「ブレーキの効きが悪くなったような…」といった、些細な違和感を感じたら、決して放置しないこと。それは、何らかの不具合の前兆である可能性があります。早めに信頼できる整備工場に相談し、点検・診断してもらうことで、問題が小さいうちに対処できれば、修理費用も最小限に抑えられます。
逆に、不具合を放置してしまうと、ダメージが他の部品にも広がり、最終的に大掛かりで高額な修理が必要になってしまうケースも少なくありません。日頃の愛情のこもったメンテナンスと、早期発見・早期対処。これが、ランクル70と長く、そして経済的に付き合っていくための秘訣なのです。
再販モデル(76/79)と旧型モデル 維持のしやすさの違い
- 2014年再販モデルや2023年新型モデルは、比較的新しく維持しやすい
- 部品供給も安定しており、故障リスクも相対的に低い
- 旧型モデル(特に平成一桁など)は、部品難や故障リスクが高まる
一口にランクル70と言っても、その製造年代によって、維持のしやすさには大きな違いがあります。特に、2014年に期間限定で再販されたモデル(GRJ76K/GRJ79K、通称76/79)や、2023年から販売が開始された新型モデル(GDJ76)は、それ以前の旧型モデルと比較して、維持のしやすさという点では格段に有利です。
これらの比較的新しいモデルは、当然ながら車両全体の劣化が少なく、故障のリスクも相対的に低いと言えます。
また、搭載されているエンジン(4.0Lガソリンや2.8Lディーゼルターボ)も現代的なものであり、部品供給についても当面は心配ないでしょう。自動車税についても、古いディーゼル車のような重課措置の対象にはなりません。
一方、平成一桁年式(1990年代)や、それ以前の昭和年式といった「旧型モデル」のランクル70となると、維持のハードルは格段に上がります。30年以上前の車となると、経年劣化は避けられず、様々な箇所で故障が発生するリスクが高まります。
そして、前述したように、純正部品の供給終了や入手困難という問題も深刻になってきます。特定の部品が壊れてしまうと、修理が不可能になったり、ワンオフでの部品製作など、非常に高額な費用が必要になったりする可能性もあります。もちろん、旧型モデルには、その時代ならではのデザインや、独特のエンジンフィールといった魅力があり、根強いファンが存在します。
however 旧型ランクル70を維持するには、再販モデルや新型以上に、多くの手間、費用、そしてトラブルにもめげない深い愛情が必要となることを覚悟しなければなりません。これからランクル70の購入を検討する際には、どの年代のモデルを選ぶかによって、その後の維持の大変さが大きく異なることを、十分に理解しておく必要があります。
ランクル70を維持するための経済的な目安(年収など)
- 一概には言えないが、一般的な乗用車より高い維持費に対応できる経済力が必要
- 年収だけでなく、貯蓄額やライフスタイル、車への価値観が重要
- ローンや予期せぬ修理費も考慮した、余裕のある資金計画が望ましい
「ランクル70を維持するには、どれくらいの年収があれば大丈夫?」これは、購入を検討している方が非常に気になる点だと思います。
しかし、残念ながら、「年収〇〇万円以上あれば絶対に大丈夫」といった明確な基準を示すことはできません。なぜなら、必要な維持費は、車両の年式や状態、登録ナンバー(1ナンバーか否か)、年間の走行距離、加入する任意保険の内容、そして予期せぬ故障の発生などによって、大きく変動するからです。
また、個人のライフスタイル(他にどれくらいお金を使うか)や、車に対する価値観(維持費をどこまで許容できるか)によっても、必要な経済力は変わってきます。
ただし、一つ確実に言えることは、ランクル70の維持費は、同年代の一般的な国産乗用車と比較して、明らかに高額になるということです。そのため、一般的な会社員の平均年収程度では、維持していくのがかなり厳しい、あるいは生活を圧迫してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
単に年収の額だけでなく、貯蓄額にどれだけ余裕があるか、そして万が一の高額な修理費用(例えば数十万円単位)が発生した場合にも、対応できる備えがあるかどうかが重要になります。
もしローンを組んで購入する場合は、車両のローン返済に加えて、これらの高額な維持費も支払っていく必要があります。具体的な年収の目安を挙げるのは難しいですが、少なくとも、一般的なファミリーカーを維持する感覚では難しい、相応の経済的な余裕が必要である、ということは間違いありません。
購入前には、維持費のシミュレーションを行い、ご自身の経済状況と照らし合わせて、無理なく所有し続けられるかを慎重に判断することが不可欠です。
「維持できない」と感じる前に ライフプランとの照らし合わせ
- ランクル70の購入・維持が、自分のライフプランに合っているか考える
- 結婚、出産、住宅購入など、将来的な大きな出費との兼ね合い
- 維持が困難になった場合の「出口戦略」(売却など)も考慮
憧れのランクル70を手に入れたものの、実際に所有してみると維持費の負担が予想以上に大きく、「もう維持できないかもしれない…」と感じてしまう前に、考えておきたいことがあります。
それは、「ランクル70を所有することが、自分のライフプラン全体の中で、本当に無理のない選択なのか?」ということです。車は、購入費用だけでなく、長期間にわたって維持費がかかり続けるものです。特にランクル70のように維持費が高額な車の場合、その負担が、将来のライフプランに影響を与える可能性があります。
For instance 近い将来、結婚や出産、マイホームの購入といった、大きな出費が予想されるライフイベントを控えている場合、ランクル70の高額な維持費が、それらの計画の妨げにならないでしょうか?あるいは、子供の教育費が増加していく時期に、ランクル70を維持し続ける経済的な余裕があるでしょうか?
もちろん、ランクル70を所有することが、何よりも優先したい趣味であり、そのために他の出費を節約するという価値観も尊重されるべきです。
however 長期的な視点で、自分の収入や支出、そして将来設計と照らし合わせて、ランクル70を維持し続けることが現実的かどうかを、冷静に考えてみることが大切です。また、万が一、維持が困難になった場合の「出口戦略」を考えておくことも重要です。
ランクル70はリセールバリューが高い車種ではありますが、売却するタイミングや車両の状態によっては、期待したほどの価格で売れない可能性もあります。購入前に、ライフプラン全体を見据えた上で、本当にランクル70とのカーライフを実現できるのか、そして維持できるのかを、真剣に検討することが、後悔しないための鍵となります。
まとめ:ランクル70はロマン!でも維持には覚悟と愛情が必要
- ランクル70は唯一無二の魅力を持つが、「維持できない」と言われるほど維持費が高額になる傾向。
- 高額な維持費の主な要因は、自動車税、燃料費、任意保険料、車検・整備費用。
- 特に古いディーゼル車や1ナンバー登録車は、税金や車検頻度に注意が必要。
- 燃費が悪く、燃料費の負担が大きい。部品供給難や故障リスクも(特に旧型)。
- 盗難リスクも高く、車両保険料の高騰や対策費用も負担となる。
- 維持費を抑えるには、燃費の良い運転、保険の見直し、DIYメンテナンス(可能な範囲で)などの工夫がある。
- 信頼できる整備工場を見つけることが、維持していく上で非常に重要。
- 日頃のメンテナンスと早期の不具合対処が、大きなトラブルと出費を防ぐ鍵。
- 再販モデルや新型は、旧型に比べて維持しやすいが、それでもコストはかかる。
- 維持には相応の経済的余裕が必要。年収だけでなく、貯蓄やライフプランとのバランスが重要。
- ランクル70を所有することは、単なる移動手段ではなく、ロマンと覚悟、そして深い愛情が求められる特別な体験。
こんにちは、「いつかはランクル」と夢見つつ、維持費の現実に打ちのめされている運営者です!今回も、「ランクル70、維持できないってホント?」という、憧れと現実が交錯するテーマの記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ランクル70、カッコいいですよねぇ…!あのカクカクした無骨なデザイン、いかにも頑丈そうな佇まい。見ているだけでワクワクします。悪路とか走ったら、さぞ楽しいんだろうなぁ…なんて、ついつい妄想しちゃいます。
でも、その一方で、「維持費がヤバいらしい」という噂も、やっぱり耳にしますよね。税金が高くて、燃費も悪くて、保険も高くて、修理代もかかって…。「憧れだけじゃ、とてもじゃないけど乗れないよ」って。
この記事を書いてみて、その噂は、残念ながらかなりの部分で「本当」なんだな、と改めて実感しました。特に古いモデルとなると、お金がかかるのはもちろん、部品探しとか、信頼できる整備工場探しとか、手間も時間も、そして何より「愛情」が必要になってくる。まさに「趣味の領域」なんだな、と。
じゃあ、ランクル70のオーナーになるのは諦めるしかないのか?…というと、そう結論付けるのはまだ早い!
大切なのは、この「維持費がかかる」という現実を、ちゃんと理解した上で、「それでも乗りたい!」と思えるかどうか、そして「維持していく覚悟」があるかどうか、なんだと思います。
そのためには、まず自分の経済状況とライフプランをしっかり見つめ直すこと。そして、どの年代の、どのモデルなら、自分にとって現実的に維持可能なのかを、冷静に比較検討すること。信頼できるお店や、ランクル乗りの先輩に相談してみるのも良いかもしれません。
ランクル70は、間違いなく人生を豊かにしてくれる、特別な相棒になり得る車です。でも、それは決して楽な道のりではないかもしれません。
もしあなたが、その困難をも乗り越える覚悟と、ランクル70への深い愛情を持っているなら、ぜひチャレンジしてみてください!この記事が、そのための情報収集や、覚悟を決めるための一助となれたなら、こんなに嬉しいことはありません。頑張ってください!応援しています!